矢吹町指定民俗文化財 原宿の熊野講
「原宿の熊野講」(もちつき歌)は、豊作を祈願する農耕生産と熊野信仰に結びちた祭りとして、江戸時代には各地に講がつくられ、伝承されてきたものと思われる。太平洋戦中、戦後にかけて中断され、原宿では三十年ぶりに復活した。
当番宿となる家に若者が泊り潔斎して、次の日早朝から餅つきとなるが、宿の庭、カマドなど潔め、しめ縄、紙四手など飾り、大きなうすを中心に若者たちが千本ギネで歌をうたいながらつきあげる。つきあげた餅を千本ギネで高々ともちあげ村内をかけはしり、その餅を護符として村人にとらせる。残りの餅を宿に於いて、塩あん餅として村人にふるまった。
この熊野講餅つき歌は、平鉢、明新地内にも伝承されてきた。
昭和56年5月1日 町指定